2008.01.11(Fri)
願わくば…。
ちょっと時期はずれの話でごめんなさい。
最近、大量に送られてくる迷惑コメントを整理していたら
以前、私が返信したコメントのなかに
「なかなかいいじゃん」(笑)と思えるのがあったので、
少しアレンジして再掲載することにしました。
じつは、わが家はエアコンを設置していないため、
夏の暑い時期は窓を開け放って生活しています。
そのため、ときどき農薬が入ってくることがあるのです。
東京の都会で、何で? と思われるかもしれません。
なぜなら、すぐ近所に区民農園があって、
野菜の防虫のために農薬を散布する方がいて
それが風に乗って家の中まで入ってくるからです。
農薬散布といっても、家庭菜園みたいなものなので、
その量はごくわずかなのですが
やっぱりとても強い刺激臭がします。
そうそう、たとえば洗濯物の洗剤の香りも。
わが家では(フリーマーケットを含めて)、
いらなくなった服を差しあげたり、逆にいただいたりして
使えるものは交換し合っているのですが
多くの家庭は合成洗剤や防虫剤を使っているためか
合成香料の化学臭が非常に気になるときがあります。
人からいただいた洗濯物を部屋で広げると
部屋中に人工的な香料の匂いが充満して、
しばらくの間、頭がくらくらするときがあるのです。
やっぱり人工的な香りはとっても不自然で
なれてしまっている人には感じないのかもしれませんが
人体にとって、よいものだとは到底思えないのです。
化粧品やシャンプー、防虫剤、芳香剤、消臭剤など、
多くの化学工業製品は
こういった人工的に作られた香料を使っています。
これはほんの一例ですが
日本人の多くの方々は、
こういった化学物質に囲まれた社会に
麻痺してしまっているのではないかと思います。
消費最優先の資本主義経済システムの中では
社会を推進する最大のモチベーションは「お金」です。
というよりも、今の日本を前進させている
唯一のモチベーションが「お金」といっていいかもしれません。
お金の推進力がなかったら、もしかしたら
日本は生きる目的を見出せないかもしれませんね。
すべての価値観がお金に置き換えられて計算されているのです。
もちろん、お金の存在自体が悪いわけではありません。
資本主義では企業は経済成長することがその使命ですし
一度株式上場してしまえば、株主の利益が優先されますから
会社は利潤を追求することから逃れることはできません。
そして利潤を追求するには、
他社との競争に勝つためにコストを抑えることが必要で
効率の悪い製品づくりや経費は、削減される必要があります。
そのためこれまではどうしても、
手軽な化学物質の使用や自然破壊、
途上国への経済的搾取などが
行なわれてきてしまったのだと思います。
でも、今やそういった手法では
サステナブル(持続可能)な社会は構築できない
ということを多くの人が知っています。
そして、そこから脱出しようとしています。
このように、人間は一人ひとりを単位として見たとき、
個人としては心豊かな平和な社会を望んでいるのに
大きな会社や社会システムとしての動きとしては、
なぜか逆の方向に進んでしまって、
なかなか方向変換できないのが残念でなりません。
ですから、本当の意味でのサステナブルな社会に移行するためには
今の経済を見直すことが最終的に必要になってくるのだと思います。
「ハチドリのひとしずく」を知っていらっしゃる人は
多いと思いますが、私たちは、
一人ひとりができることをするしかないのだと思います。
気づいた人から、やれることをやるしかないんです。
自分にできることを一つひとつ、
楽しく、思いやりと感謝をもって
少しずつ人に伝えたり、行動していくことで
もしかしたら、何かが動くかもしれません。
それをきっかけに、人々の意識が変わるかもしれません。
大きなウェーブが起こって、何かがシフトするかもしれません。
人は、それぞれの動きの中でしか生きられない
と、私は考えています。
どんなに親しい家族であっても、
どんなに憎らしい相手であっても
外からの力で変えることはできず
変わるのはその人自身の問題になると思っています。
もしかしたら、地球温暖化は防げないかもしれません。
戦争や差別は、地球上からなくならないかもしれません。
地球環境は今よりもっと悪化するかもしれません。
個人として私の周りを見回したとき
本当にありがたいことに
家族との生活は楽しくて平和で心豊かですし
仕事に関わる方々や仲間たち、
取材でお会いする方々…
本当にすばらしい人たちで
その境遇には心から感謝しています。
でも私は、やっぱり、すべての人々が心豊かで
平和で、安心して暮らせる社会であってほしいし
あらゆる生命がお互いを支えあっている
生き生きとした世界になってほしい。
これは本当に夢物語なのでしょうか。
「そんなこといっても、生きていけないジャン」
で、終わりなのでしょうか。
人間は何のために存在しているのだろう。
願わくば、
すべての人がこの問いを深く自分の内に発して
自分で答えを見つけることができたら。
そして、行動に移すことができたなら。
その勇気をもつことができたなら。
そんな願いをこめて。
(ヨシダヤスアキ)
>EntryTime at 2008/01/11 00:03<