2008.01.21(Mon)
キッチンからはじまる
シンプルなエコライフ
先日、クーリエ・ジャポン最新号をジームズ・ラブロックの記事だけちらっと読みました。
ラブロックはニューエイジムーブメントの立役者の一人で「ガイア仮説」を唱えた人物として知られていますが、彼は記事の中で、現段階では地球温暖化はもはや防ぐことができないところまで進んでいる、逆に温暖化した地球で人類はどのように暮らしていくことができるのかを考えなければならない、と語っていました。
しかも、地球温暖化を防ぐための環境に配慮したCO2削減商品や対策などは、地球温暖化を防ぐためには何の効果もなく、企業が利益を得るためにやっているだけだとまで言い切っています。いまのライフスタイルのままでは、もはやどうしようもないのだと。
彼の仮説は、かなり過激な意見かもしれない。
でも、ある意味では、耳を傾ける必要があると思いました。
たとえば、腕を切断して血がドクドク流れているのに、それ止血をせずに血が流れるままに輸血だけしていたのでは命が助かるわけがなく、血を止めることが最優先されます。また、たとえば、月収30万円の家庭が、買いたいものがありすぎて月に50万円必要だといって、毎月不足分の20万円を借り続けることは不可能で、いつか必ず破綻します。
まず、緊急回避としての処置をしたあと、それぞれに効果的な改善策をほどこしていくことが求められるはずです。
これは誰もがわかりきっている当然のことです。でも、もしかしたら止血しない人で、何とか助かると幻想を抱いている人もいるかもしれません…(笑)。実際、浪費をとめることをせず、自分の収入以上に借金に借金を重ねて、最後に破産してしまう人がたくさんいるわけですから…。
私は、今の地球温暖化対策を含めたサステナブルな社会をつくるために先進国がやろうとしているアプローチって、まさしくこの状態なんじゃないかと感じています。
「経済成長を維持したまま、サステナブルな社会を構築する」
果たして、そんなことが本当に可能なのでしょうか。
マスコミや社会的な流れとしては、今の経済成長や消費構造はそのままに地球温暖化を防止することを目指していますが、私は、先進国の全員が一人ひとりある程度の痛みというか、
責任を負うことが必要なんじゃないかと感じます。
これまで人類が消費社会の元に行なってきたことをきちんと見直して、
手放せることは手放して、もっと経済も生活も、スリムにシンプルにして
地球全体が、平和で心豊かに暮らせるためのライフスタイルを
真剣に考えることがとても大事だと思うのです。
そして、私はじつは地球のエコの中心は
家庭の台所、
キッチンが担っていると思っています。
企業でも国でもなく、国連でもなく、団体でもない。
もちろん、それらも非常に大事なのですが
エコの出発点は、やっぱり家庭なのではないかと。
住宅からクルマ、洋服、食べ物、旅行…など。
消費を最終的に決めるのは、各個人であり家庭です。
もっとも力が弱いように見えて、
本当は社会を動かす最大の力をもっているところです。
毎日、どんな国や企業の製品を買って、
どんなものを食べて、着て、乗って…。
どんなごみを出して、誰に投票するのか…。
そんな個人の消費生活の集まりが、
この国や世界の未来のあり方を
どうするか決めているのですから。
キッチンからはじまる、シンプルなエコライフ
始めてみませんか。
(ヨシダヤスアキ)
>EntryTime at 2008/01/21 20:18<